不倫旅行A氏「じゃあ、行ってくる」きょうからA美と旅行だ。それも海外だよ。家内は、出張って言ったけど、ばれないよな。 会社には、法事って言ってあるからな。そうそう、おれの田舎は、電波届きにくいんだよな。 ラッキー、だよ。 だってよう、はじめてだぜ。こんなドキドキ感。ハワイ。 でもよ、ゆめゆめ日焼けしないようにしないとな。だって、ニューヨークに出張に行ってなんで日焼けするかってことになるもんな。 会社だってそうだよ。法事に行って、日焼けするわけないもんな。 「あっ、おはようございます。」 となりの奥さんだ。なんか疑いの目で見ていると感じるのは気のせいか? でもさ、このスーツ。アリバイ工作とはいえ、荷物になるよ。どっか預けていけないかなあ。 うおっ、けっこう込んでんな。おっと、日経買わないと。 ちょっとごめんなさいよ。よいっしょっと。 さすがに通勤の時間に、トランクはきついな。でも、ちょっとの間だからな。 ちきゅうのあるきかた。。。。 そうそう、ここもいかないとなあ。 A美は、海外はじめてだって言ってたよなあ。大丈夫かな。くるよな。 おっと、みんな、このトランク、邪魔臭い目で見るなあ。 いいんだよ。見たけりゃ見なさいってんだ。ま、15分だけ辛抱してくださいな。 おう、渡辺淳一!おれ、これからワタナベジュンイチするんだから、こんな日経の小説なんか! やっぱ、現実社会だよ。 おっ。電話。 「おう、準備ばんたん?」 「えっ、そう。」 「それなら仕方ないな。大事にね。」 なんで、A美のやつ、突然、インフルエンザ なんだよ。こんな春先によお。 で、おれは、いったいどこへ行くの? |